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「良いデザインは、良いカルチャーから。」デザイナー全員でつくる、月に一度の大切な時間

こんにちは!サービスデザイナーの杉山です。Accenture Song Designチームでは、Studio Dayと呼ばれる取り組みを実施しています。普段は別々の場所で別々のプロジェクトに従事するデザイナーたちがオフィスに一堂に会す、月に一度の特別な日です。

今回は、私たちAccenture Song Designチームの一大カルチャーとも言える、Studio Dayについて紹介します。


Studio Dayが生まれた背景

デザイナーたちはプロジェクトごとに組成されるチームで日々活動しているのですが、スタジオの規模や取り扱う案件が大きくなるにつれて、プロジェクトの成果や知見を共有する機会は次第に限られていきました。スタジオ内部では、「みんな忙しすぎない?」「他のメンバーがどんな仕事をしているかよく知らない…」「OJTだけでないインプットの場が欲しい!」などの声が上がるように。

そんな声に応える形で、プロジェクトで得たデザイナー同士の知見の共有すること、そしてその先にあるプロジェクトの質向上に貢献することを目的にStudio Dayは誕生しました。聞くところによると、グローバルのAccenture Songの中には、毎週金曜日には一日中デザインに関するディスカッションをしているスタジオがあるとかないとか!日本では、月に一度、半日または終日で開催しています。

Studio Dayのある一日

ここからは先日開催されたStudio Dayを例に、具体的な1日の流れをご紹介していきます。

9:00~10:00 BREAKFAST&COFFEE

Studio Dayの朝は、朝ごはんとコーヒーと共に始まります。この日のケータリングは、オフィスのすぐ横にあるみんなに大人気のBoulangerie Comèteさん!オフィス付設のコーヒースタンドからカフェラテをいただいて、徐々に集まってきたスタジオメンバーと談笑を楽しみます。過去にはフルーツサンドやおにぎりの日もあり、ケータリングのチョイスもメンバーそれぞれの個性が現れる瞬間です。

9:45~10:00 Accenture Song Singaporeのメンバーが飛び入り参戦!

Accenture Song Singaporeのクリエイティブテクノロジスト マシューさん

この日はたまたまAccenture Song Singaporeのマシューさんが日本へ遊びに来ていたので、緊急でプレゼンテーションをしてもらうことに!最新のテクノロジーとデザインを融合させていかにビジネスに活用できるかを研究している彼のプレゼンテーションに、スタジオメンバーは興味津々。Studio Dayは国外のスタジオとの接点が生まれるきっかけにもなっています。

10:00~12:00 WORKSHOP

社会潮流に合わせて日々変化するクライアントニーズに応える為には、スキルやマインドセットのアップデートを欠かすことはできません。WORKSHOPはそれらを養い、共有し、チーム全員の資産となるように、その上でカジュアルに楽しむことのできるようにスタジオメンバー自身で工夫し、設計しています。

今回のテーマは、「AIによる技術革新が広まった未来で、私たちデザイナーはどうあるべきか?」Accenture Life Trends 2023のTREND 4でも触れている今の時代を象徴するテーマの一つです。「一回みんなでちゃんと話してみたいよね」そんな声もスタジオ内でちらほらと聞くようになり、この場が設けられました。

WORKSHOPはまずインプットから始まります。ビジネスデザイナーからは、生成AIとは何か?どのようなテクノロジーなのか?など基本的な知識を説明がありました。ブランドデザイナーからは、実際にプロジェクト内でどのように活用しているのかという実践的な知見共有がされました。

ビジネスデザイナー ピョートルさん

続いてグループに分かれ、既に使っているAIツールやAIに関する気になるトピックを共有する時間です。「どんなAI技術がAccentureのデザイナーにとって武器となる?」「2025年にデザイナーは何を備えているべき?」というお題についてディスカッションしました。

その結果として新たな問いとして以下のようなものが生まれました。

・AIによる新たなタッチポイントへとあらゆるサービスが移行していく際に、ユーザーの期待や印象をどのように扱い、各接触点の存在意義をどのように定義すべきか?
・デザイン対象やアウトプットに、信頼感のような心理醸成が包含されていることの価値がいま以上に高まるのでは?
・AIに大半の業務が代替された後、人々の仕事のあり方そのものやバックにあるオペレーションを構想するデザインの機会が生まれるのでは?

自分の中になかった視点を得ることができるのはもちろん、新しくチームに加わったメンバーにとっては、多くのメンバーと最初に話す機会となり、メンバーと無邪気に楽しく仲良くなることができる大事な時間です。

12:00~14:00 LUNCH

Studio Dayのランチタイムは2時間と長めに設けられています。
普段とは異なるメンバーとランチへ出かけてみるも良し、自分の作業に集中するも良し。自由に使える時間となっています。

14:00~16:00 Design Critique

Design Critiqueはメンバー各自がデザインの成果物を他のメンバーに対して説明し、ディスカッションを行うセッションです。ケイパビリティや年次を超えて、各々が胸に秘めるデザインの信条を元に意見を交わし合います

批評と批判の違いについて

ここで重要なのは、あくまで批評(=Critique)であり、批判(=Criticism)ではないということ。良い批評(=Critique)とは、具体的で客観的な視点から疑問を投げかけ、デザインを成長させるきっかけを与えるものである必要があります。決して、そのデザインが秘める可能性をバッサリと否定するものであってはいけません。

メンバー全員が健全な批評とは何か理解し、より良い仕事のために批評を受け入れる。建設的な意見交換を通してアウトプットの質を上げられるのはもちろん、スタジオには些細な気づきも共有しやすい雰囲気が出来上がります

この日は、メンバーが講師をしている大学の現役デザイン学生たちによる持ち込み回。学生からのアウトプットが多数紹介されました。

私自身も、これまでに批評をもらう側と行う側の両方を経験しました。

批評をもらう側に立つと、メンバーの多様な専門性と豊富な知見をもとに、思わぬ観点から次々と改善案や参考となる事例が飛んできます。実際、Design Critiqueでもらったヒントをもとに成果物がグッと良くなったこともあります。スタジオメンバーが自分のデザインに対し真摯に向き合ってくれる瞬間は、適度な緊張感を感じつつも満足感のある時間でした。

一方で、批評を行う側に立つことも同様に学びがあります。限られた時間の中でデザインを進展させるためには何が必要なのか、そしてその考えをどう言語化をして伝えるべきなのかを考えることで、フィードバックのスキルだけでなく、自分自身の中に第三者的な視点を育てることにも役立ちます

16:00~17:00 CAPABILITY TIME

Designチームのメンバーは、それぞれが志向するデザイン領域ごとにケイパビリティと呼ばれるグループに所属しています。CAPABILITY TIMEでは、ケイパビリティごとに分かれてより具体的なスキルやマインドセット獲得のためのワークが準備されています。

例えば、UIやUXを専門とするインタラクションデザインケイパビリティでは、マイクロインタラクションやチャットUIなどの研究を行い、ユーザーにどんな効果を与えるのかを議論しながら、今後のプロジェクトに役立つ様ナレッジブックにまとめています。また、時にはみんなでUI制作の課題に取り組んだり、AIで画像生成にチャレンジしたりすることもあるんだとか。

ビジュアルデザインケイパビリティでは、毎月テーマを決めて、世界中のデザインを収集。それらを表現手法や社会的な文脈などの観点から紐解き、言語化をしてケイパビリティメンバーと楽しくディスカッションしています。各プロジェクトで制作しているデザインに対しての専門的なレビューを行うこともあります。

ケイパビリティメンバー同士でしか共感できないような小さな悩みやニッチなTipsの共有ができるCAPABILITY TIMEは、単にスキルの向上だけにとどまらない、チームの結束を高める重要な時間となっています。

18:00~21:00 HAPPY HOUR

最後はHAPPY HOURの時間。金曜日に実施されるStudio Dayにおける最後のアジェンダとして不定期・自由参加で開催されています。

今回のHAPPY HOURは普段使用している会議室が会場に。間接照明を持ち込んで、電気を消して音楽をかけたら、仕事モードから一変!少し残って仕事をしているメンバーも、気軽にふらっと参加できます。お酒を片手に、たわいもない雑談から真面目な話まで、様々な話題が飛び交いました。

Song DesignにとってStudio Dayとは?

Studio Dayは、昨年秋に誕生したばかりのまだまだ新しい取り組みです。成長する組織、変化する働き方に合わせて組織のカルチャーを醸成するために、何をすべきか?という課題意識のもと実験的に始まりました。

今ではすっかり定着しプロジェクトを跨いで活発なコミュニケーションやコラボレーションが実現するように。少しずつ成果が見え始めてきているように感じます。

メンバーの声
「コロナ禍に入社したので、以前は本当にオフィスで喋りかけられる人がいなかった。Studio Dayで毎月知り合うが増えていくのが嬉しい。」 ビジュアルデザイナー
「お祭りのような時間。関わりのなかったスタジオメンバーとも気軽に仲良くなれる。」 ビジュアルデザイナー
「普段はプロジェクトに100%使っている頭を、全く違うインプットで切り替えられるのが良い。」 デザインリサーチャー

「移りゆく社会に対して、デザイナーがとるべき態度は?」
「デザインスタジオとして、メンバー間のコミュニケーションはどうあるべき?」

月に一度だけ立ち止まって、自分たちに問いかけます。より良いデザインを生むためのカルチャーそれ自体を、自らの手でデザインしていく。そんなStudio Dayという取り組みを通して、私たち自身も少しずつ進化を続けていきます。

筆者プロフィール


杉山 裕太郎 / Yutaro Sugiyama
サービスデザイナー / Service Designer
美術大学にてヴィジュアルコミュニケーションデザインを専攻し、主にインスタレーション作品を制作。2022年アクセンチュアに新卒入社。体験に焦点を当てたサービス設計、リサーチ手法に関心がある。

アクセンチュア ソング Instagramアカウント: @song.design.japan
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